【FP2級AFP過去問”解説”】~2018年5月学科・不動産~

書籍販売事業

今回2018年5月検定の過去問を解説します。

学科【不動産】問41~問50


問41. 不動産の登記

不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.不動産の登記記録は、当該不動産の所有者の住所地である市町村および特別区の役所や役場に備えられている。
2.不動産の売買契約を締結した当事者は、当該契約締結後3ヵ月以内に、所有権移転の登記をすることが義務付けられている。
3.不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産に利害関係を有する者に限られる。
4.不動産の登記記録を信じて土地を取得した者は、その登記記録の権利関係が真実と異なっていたときには、原則として、その土地に対する権利は法的に保護されない。

答え.4

1.不適切
不動産の登記記録は、不動産の所在地を管轄する登記所に備えられています。
2.不適切
不動産の売買契約を締結した当事者は、契約締結後、速やかに所有権移転の登記をすることが必要です。
3.不適切
不動産の登記事項証明書は誰でも手数料を納付すれば、交付の請求をすることができます。
4.適切
記述の通りです。不動産の登記には公信力がありません。


問42. 鑑定評価

不動産鑑定評価基準における不動産の価格を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法および収益還元法に大別される。
2.原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。
3.取引事例比較法は、多数の取引事例を収集して、適切な事例を選択し、これらの取引価格に事情補正および時点修正ならびに地域要因の比較および個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量して、対象不動産の価格を求める手法である。
4.収益還元法は、実際に賃貸の用に供されていない自用の不動産の価格を求める際には適用することができない。

答え.4

1.適切
記述の通りです。また、この3つの手法を併用して不動産の価格を求めるのが一般的です。
2.適切
記述の通りです。もう一度、同じ不動産を建てる方法を原価法と言います。
3.適切
記述の通りです。近所の同じような不動産と比較して不動産価格を求める手法を取引事例比較法と言います。
4.不適切
収益還元法は、賃貸の用に供されていない自用の不動産でも、不動産価格を求めることができます。


問43. 売買契約

不動産の売買契約における民法上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

1.買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手する前であれば、売主は、手付金を全額返還することにより契約の解除をすることができる。
2.売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、売主がその瑕疵について善意無過失であるときは、売主は、瑕疵担保責任を負わない。
3.売主の責めに帰すべき事由により、売買契約の目的物である不動産の引渡しに遅滞が生じた場合、買主は、催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができる。
4.売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、水害等の天災により滅失した場合、売主は買主に対して、売買代金の請求をすることができる。

答え.4

1.不適切
買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が契約の履行に着手する前であれば、売主は、手付金の2倍に相当する金額を返還することにより契約の解除をすることができます。
2.不適切
売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、売主がその瑕疵について善意無過失(過失がない)であるときでも、売主は、瑕疵担保責任を負います。
3.不適切
売主の責めに帰すべき事由により、売買契約の目的物である不動産の引渡しに遅滞が生じた場合、買主は、催告をしたにも関わらず、売主が応じない場合に契約の解除をすることができる。
4.適切
記述の通りです。売買の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、水害等の天災により滅失した場合、売主は買主に対して、売買代金の請求をすることができます。これを危険負担と言います。


問44. 借地借家法(普通・定期借地権)

借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

1.普通借地権の存続期間満了に伴い、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在しなくても、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。
2.普通借地権の当初の存続期間が満了し、更新する場合、当事者間で更新後の存続期間を更新の日から10年と定めたときであっても、更新後の存続期間は更新の日から20年とされる。
3.事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならない。
4.事業用定期借地権等においては、建物の用途は事業用に限定されているため、法人の従業員向けの社宅の用に供する建物の所有を目的として設定することができない。

答え.1

1.不適切
借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、その土地の上に建物が存在している必要があります。
2.適切
記述の通りです。普通借地権において、最初の更新期間は、20年以上です。また、2回目以降の更新については、10年以上です。
3.適切
記述の通りです。事業用定期借地権の契約は、必ず、公正証書によって締結する必要があります。
4.適切
記述の通りです。事業用定期借地権の建物の用途は、事業用に限定されています。たとえ、法人の従業員向けの社宅の用に供する建物の所有を目的であっても、設定することができません。


問45. 借地借家法(普通・定期借家法)

借地借家法の建物の賃貸借に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。

1.期間の定めがある普通借家契約における賃借人から更新しない旨の通知は、賃借人に正当の事由があると認められるときでなければ、することができない。
2.普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に対抗することができる。
3.賃貸借期間が1年以上の定期借家契約の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に賃借人に対して契約が終了する旨の通知をしなければ、契約期間満了での終了を賃借人に対抗することができない。
4.定期借家契約において、賃貸人の承諾を得て賃借人が設置した造作について、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。

答え.1

1.不適切
期間の定めがある普通借家契約において、賃借人から更新しない場合は、期間満了の6ヵ月までに通知をすることによって可能です。また、賃貸人から更新しない場合は、賃借人に対する正当事由が要件となります。
2.適切
記述の通りです。賃借人の対抗要件は、建物の引渡しを受けていることです。なので、登記は必要ありません。
3.適切
記述の通りです。期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に、賃借人に契約終了の通知をする必要があります。
4.適切
記述の通りです。契約を締結する際に、造作買取請求をしない旨の特約をすることができます。


問46. 建築基準法

都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.建築物の敷地は、原則として、建築基準法に規定する道路に、2m以上接していなければならない。
2.建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合の建築物の建ぺい率および容積率は、その敷地の全部について、敷地の過半の属する用途地域の規制が適用される。
3.建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合の建築物の用途は、その建築物の全部について、敷地の過半の属する用途地域の建築物の用途に関する規定が適用される。
4.建築基準法第42条第2項の道路に面している敷地のうち、道路と道路境界線とみなされる線までの間の敷地部分(セットバック部分)は、建ぺい率および容積率を算定する際の敷地面積に算入することができない。

答え.2

1.適切
記述の通りです。建築基準法に規定する道路(幅員4m以上の道路)に、建築物の敷地が2m以上接していなければなりません。これを、接道義務と言います。
2.不適切
建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合の建築物の建ぺい率および容積率は、その敷地面積の割合に応じて、それぞれの用途地域が適用されます。
3.適切
記述の通りです。建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合の建築物の用途は、その建築物の全部について、敷地の過半の属する用途地域の建築物の用途に関する規定が適用されます。
つまり、その敷地に少しでも防火地域となっている場合は、すべての敷地について、防火地域を適用します。
4.適切
記述の通りです。セットバック部分は、将来、道路になりますよ!という意味なので、建ぺい率や容積率を算定する際の敷地面積に算入しません。


問47. 固定資産税・都市計画税

不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.土地および家屋の固定資産税は、毎年1月1日における土地および家屋の所有者に対して課される。
2.土地および家屋の固定資産税の標準税率は1.4%とされているが、各市町村は条例によってこれと異なる税率を定めることができる。
3.地方税法において、固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200㎡以下の部分)の課税標準については、課税標準となるべき価格の6分の1の額とする特例がある。
4.都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化調整区域内に所在する土地および家屋の所有者に対して課される。

答え.4

1.適切
記述の通りです。
2.適切
記述の通りです。また、都市計画税は、0.3%(上限)の制限税率です。
3.適切
記述の通りです。また、都市計画税の小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200㎡以下の部分)の課税標準については、3分の1の額とする特例があります。
4.不適切
都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化区域内に所在する土地および家屋の所有者に対して課されます。


問48. 居住用財産の譲渡(特例)

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除(以下「3,000万円特別控除」という)と居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「軽減税率の特例」という)に関する次
の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.3,000万円特別控除は、居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに居住用財産を譲渡しなければ適用を受けることができない。
2.3,000万円特別控除は、子に居住用財産を譲渡した場合には適用を受けることができない。
3.軽減税率の特例では、課税長期譲渡所得金額のうち1億円以下の部分の金額について軽減税率が適用される。
4.軽減税率の特例は、譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した日の属する年の1月1日において10年を超えていなければ、適用を受けることができない。

答え.3

1.適切
記述の通りです。
2.適切
記述の通りです。原則、他人に譲渡をする必要があります。
3.不適切
軽減税率の特例は、課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分について、軽減税率(所得税10%、住民税4%)が適用されます。
4.適切
記述の通りです。


問49. 土地の有効活用

土地の有効活用の手法の一般的な特徴についてまとめた下表の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本人とは有効活用する土地の所有者のことである。

1.(ア)の空欄には「デベロッパー」があてはまる。
2.(イ)の空欄には「テナント」があてはまる。
3.(ウ)の空欄には「借地人」があてはまる。
4.(エ)の空欄には「なし」があてはまる。

答え.4

1.不適切
事業受託方式の(ア)は「土地所有者」です。
また、事業受託方式とは、土地所有者がデベロッパー等に委託して、土地所有者の資金負担で、土地にオフィスビル等を建てる方式です。
2.不適切
建設協力金方式の(イ)は「土地所有者」です。
また、建設協力金方式とは、土地所有者と土地活用の事業パートナー(総合リース建築会社)と協力して、建物などを建設する方式です。
3.不適切
定期借地権方式の(ウ)は「土地所有者」です。
また、定期借地権方式とは、土地所有者が、個人や企業に期間を定めて土地を貸す方式です。
4.適切
記述の通りです。選択肢3の通り、定期借地権方式は、一般的に土地を貸すだけなので、本人(土地所有者)の建設資金負担はありません。


問50. 不動産の投資判断手法

不動産の投資判断等の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
2.IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
3.NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
4.借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合には、レバレッジ効果により自己資金に対する投資の収益率の向上が期待できる。

答え.3

1.適切
記述の通りです。投資額より、現在価値として計算した収益額の方が多い場合に、その投資は有利と判断できます。ちなみに、NPV法(正味現在価値法)は、¥ベースで考える手法です。
2.適切
記述の通りです。内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利と判断できます。ちなみに、IRR法(内部収益率法)は、%ベースで考える手法です。
3.不適切
NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間総収入から必要経費を差し引いた金額(正味の儲け)を、総投資額で除して算出される利回りで、不動産の収益性を測る指標です。
4.適切
記述の通りです。レバレッジ効果(てこの原理)を利用することで、自己資金のみで投資をする以上の儲け(収益率の向上)が期待できます。


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